歯列矯正とは?
歯列矯正とは、悪い歯並びをきれいにする歯科治療ですが、虫歯を削ったり、冠を被せたりする一般の歯科治療とは、ちょっと違います。
矯正治療の場合は、悪い位置にある一本一本の歯を顎の骨の中で少しずつ動かして、正しい位置にきれいに並べ直します。
また、お顔に対して顎骨の位置が出っばったり、引っ込んだりしている場合には、顎骨をよい方向に動かしたりもします。
従って、矯正治療を行った場合には、元の自分の歯が正しい位置できれいに並び、自分の歯でしっかり食物が咬めるようになるのです。
なぜ歯並びが悪くなるの?
歯並びが悪くなる原因には先天的なものと後天的なものがあり、様々なそれぞれの要因が混在している場合もあります。
先天的な原因には遺伝的要素や病気も含まれます。後天的要素としては態癖といって、睡眠時のうつぶせ寝や日常生活における頬杖、異常嚥下(飲み込み)癖・指しゃぶりなども原因のひとつになります。
最近は特に食べ物が軟く顎の発育が悪く、歯が並びきれなくてデコポコしている子供がふえています。
歯や顎はそれぞれ別々のものではありません。たった1本の歯の乱れが、ほかの歯全部に影響を与えることもあります。
悪い歯並びというものは非常に複雑ですから、大抵の場合いくつもの要因が絡みあっています。
悪い歯並びのままだとどんな障害があるの?
虫歯や歯肉の病気になりやすい
乱杭歯(らんぐいば)や八重歯のように歯が重なり合っていたり、
咬み合わない歯がある場合、食べ物のカスが溜まりやすく、また、歯磨きもしにくく、虫歯や歯肉の病気になりやすくなります。
物を咬む能率が悪くなる
歯並びが悪いと物を咬む能率が低下し、少なくとも胃腸に好ましくない負荷を与え、全身の健康状態にも影響することが考えられます。
正しく、はっきりした発音がしづらい
顕著に出っ歯であったり、歯が咬み合わなかったり、受け口である場合、正しい発音がしにくく、特に電話での会話や外国語を話すときには、相手に正しい意味が伝わらないことがあります。特に英語のth、f、v音(例えばthis、the、Very、five)などが困難になります。これは欧米で矯正治療が常識となっている理由のひとつです。
正しい嚥下(飲み込み)ができない
嚥下に関しては、鶏が先か卵が先かなどというように表現されることがありますが、悪い嚥下癖が悪い歯並びを引き起こしているのか、悪い歯並びが悪い嚥下癖を引き出しているのか判断しづらいものです。けれども、形態と機能というものは表裏一体のものであり、正しい嚥下が出来る人はよい歯並びを維持できる人です。
顎の骨の成長を妨げる
正しい顎の発育に影響を及ぼし、上と下の顎の関係が悪くなり、左右が対称でなくなったりする場合があります。特に、悪い歯並びを放っておくと、顎や筋肉のバランスが崩れて顎のずれが大きくなっていく傾向があります。
心理的な影書を与える
悪い歯並びを気にするため、子供時代から友達との付き合いも消極的になる傾向があります。大きくなるにつれて、自分の容貌上の劣等感は一層強くなり、社会・人間関係に悪影響を及ぼす結果となることが少なくありません。
その他の影書
外傷を受けやすい、顎の関節や口の周りの筋肉に影響を与え咬み合わせの病気になりやすい、将来ブリッジや入れ歯などが入れにくい、また、虫歯の治療でも見た目や機能に妥協が必要となるなどの障害が考えられます。
矯正治療はいつごろ始めればよいのでしょうか?
悪い歯並びといっても、いろいろな種類や程度があり、同じ年齢でも顎や歯の発育の仕方に差があることから、一概に何歳から治療をすべきだということは言えません。まだ乳歯の時期であったとしても、できるだけ早く治療をしなければならない場合もありますし、他方、歯が全て永久歯に生え変わってから治療を行った方がよい場合もあります。乳歯、混合歯列の時期に必要な治療を第一段階と呼び、咬合育成(歯列を健康な状態に導くこと)を含む初期治療、骨格的なずれの是正をします。当院ではお子様の健康な発育を手助けし、出来るだけ歯を抜かない治療を心がけていますので、この第一段階の治療に力を入れています。
永久歯になってからの治療は第二段階と言い、本格的な永久歯の歯並びを治療します。
それでは一体、いつ歯科医を訪れたらいいのでしよう?
とにかく、気になったらすぐにかかりつけの歯科医や矯正歯科医に相談し、診察を受けることをお勧めいたします。わからないことは、専門家に訊くのが一番です。
矯正治療はこのような場合に必要です。
- 歯並びが不揃いである
- 歯と歯の間に隙間がある
- 奥歯でしっかり咬んでも前歯が咬み合わない
- 上下の顎(歯)が横にずれている
- 歯がねじれている
- 出っ歯や受け口
- 物がよく咬めない
- 発音がしにくい
- 歯並びや口元の容貌に関して、精神的な引け目を感じている
- 顎関節の不調
このような症状が見られるときは、矯正治療を行った方が望ましい場合が多いようです。しかし、どんな場合でも、まず、かかりつけの歯科医や、矯正専門医に気軽にご相談下さる事が、最良の方法と思われます。
- 症例その1
- 偏頭痛、耳鳴り、重度の肩こり、足の痺れ、食いしばり
- 症例その2
- 虫歯や歯周病になりやすい。自然にくいしばってしまうため常に歯が痛い。歯ブラシが隅々まで届かない。
- 症例その3
- 前歯が深く咬み込んでいる。前歯が飛び出している。くいしばる癖がある
- 症例その4
- 前歯で食べ物が咬み切れない。顎が角ばっている(えらが張っている)
- 症例その5
- 前歯が出っ張ってものが噛み切れない。口を閉じるのに余分な力が入る。
- 症例その6
- 二重顎、左の顎関節で音がする。身体に歪みがある。頭痛
- 症例その7
- 前歯で食べ物が咬み切れない。発語が正しくできない。消化器官の調子が悪い
- 症例その8
- 小児:身体が傾いてしまっている。前歯が飛び出している。口を閉じづらくいつも口をあけている。
- 症例その9
- 小児:歯並びの幅が小さく永久歯が入りきらない。重なりが大きく虫歯になりやすい
